アクロイアへようこそ

アクセスカウンタ

zoom RSS 『ダーカー・ザン・ブラック』 黒の揺れる心

<<   作成日時 : 2007/04/18 19:33   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 0

『DARKER THAN BLACK-黒の契約者-』。さらっと見るだけではもったいない。噛めばかむほど味わいの出てくる作品なんだな、とこの頃感じます。


第1話冒頭の、背筋が冷たくなるほど落ち着いた声の黒(ヘイ)。

対照的に、第2話の終わり近くで「人形じゃない。生きていたんだ。」と呟く黒。

恐怖も、嘆きも、笑いも、怒りも。そして、悔恨も。それらすべてを抱きながら、千晶は生きていた。

千晶の中に、生きている実感を見た…。


振り返ると、千晶に対する黒の反応は少しずつ変化を見せてきました。


夜の公園で、走り去っていく千晶の後ろ姿を見送る黒。
その目には、任務のために情報を奪った後で彼女を消す、はっきりとした決意が読み取れる。
千晶は、まだ単なるターゲットでしかなかった。


千晶の心を引き寄せるために、契約者・ジャンから二度にわたって救い出し、雨の中で抱きしめる黒。
この時の黒の横顔。なぜか、自分を押し殺しているような切ない目。
単なるターゲットだったはずの千晶が、恐怖と絶望で押しつぶされそうになっている姿を目の当たりにして、何かが彼の中で少しずつ変化しようとしていたのか。


アパートに帰った後、「一緒に逃げよう」と千晶を再び抱きしめる。
黒の目に、先ほどと同じようなかげりが覗く。
情報を奪えばターゲットを消す【契約者の任務】と、【本当にそれでいいのか】というかすかな疑念がせめぎあう。

千晶の言葉が印象的。
「この部屋、左右が入れ替わっただけなのに、なんだか偽物みたい。」
自分でも分かっていないはずなのに、他人の記憶を流し込まれたドールであることを暗示するかのような。


そして、ファミリーレストラン。千晶の瞳から光が消えてしまう、ほんの一瞬。
だが、黒は見逃さなかった。

【彼女は、ドールだ。】

確信が、黒の中に形作られていく。


追っ手から逃れた後、千晶の頬にそっと手を添える黒。
柔らかな声音が、千晶に向けて紡がれる。

「疲れた顔をしてるよ…。 まるで死人みたいだ。 もう、眠った方がいい。 」

千晶がドールならば、この言葉はさらに別の意味を持つ。


契約者との因縁を語る千晶に、黒が応えた言葉。
「失くしてしまえばよかったんだ。契約者の記憶なんて。」

この言葉に、千晶は。
「こんな記憶でも、失くしてしまえば自分じゃなくなるような気がして、怖いんだ…。」

数日しか保てない他人の記憶。無意識に、今の自分を失うことを恐れる千晶。
逃れようのない彼女の運命を目の前にして、黒はある決意をする。

「あんたにだって、消したくても消せない思いがあるんだろ?」と訊く千晶。

黒の答えは、別のものだった。
「契約者は、人の皮をかぶった殺人機械だ。やつらは嘘つきで、裏切り者だ。」

ドールの千晶に他人の記憶を流し込み、思い通りに動かし、用済みになれば容赦なく消す。
そんな契約者達へ向けた、静かに燃えさかる憎悪。
おそらく黒自身もかつて、自分または家族が、契約者によって残酷な仕打ちを受けている。
そうでなければ、【人の心を保ちながら契約者として活動する】稀有な存在にはなれなかった。
自らの過去を重ねて、憎しみを燃やす。


千晶に平穏な日々を取り戻すために、警察署の前で彼女の記憶を消そうとする黒。

しかし、意識を取り戻した千晶に対して、黒は非情な言葉を向ける。

「そうだ。言ったろ。契約者は裏切り者だって。」

もう、俺に関わるな。 俺のことは忘れるんだ。
そうしなければ、千晶。 お前の地獄は、これからも続いてしまう。


言葉とは裏腹な、黒の真意。



けれど。 千晶は、別の選択をする。


                 
                彼女に生命を全うさせることは…できなかった……。




すべてが終わった後。 黒は、一つの答えを出す。

「人形じゃない。生きていたんだ。」





彼の心の中に、消えない何かを残して 千晶は逝った。






    永遠に変わらないものなんて 無い。 

          
                
             


                  

                     たとえ彼が、契約者だとしても。















テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ヘイの心
「契約者は人間じゃない。」 任務を遂行する時、自分に言い聞かせて自分を捨てるおま ...続きを見る
馬耳東風
2007/04/19 15:36
契約の星は流れた…後編
「言ったろ?契約者は嘘つきだって」 ...続きを見る
tune the rainbow
2007/04/19 21:32
『ダーカー』のツボを解く:黒の過去とは?
『DARKER THAN BLACK-黒の契約者-』第3話で、一番印象に残っているシーン。 「二度と帰ってくんな!あんたなんて!」と舞が絶叫した時の、虚を突かれた黒の顔。 そして、黙って舞を見つめる哀しげな表情。 ...続きを見る
アクロイアへようこそ
2007/04/23 13:52

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
『ダーカー・ザン・ブラック』 黒の揺れる心 アクロイアへようこそ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる